風力発電についての問答集

1.風力発電の発電力はどれくらい?   2.直径が60m以上の風車って大きすぎて危険では?
3.風車は倒れないのか?        4.そんなデカイ風車が旋回するの? 
5.風車の羽根は何でできているの?   6.風車の騒音はどれくらい?
7.発電した電力はどこに行くのですか? 8.鳥が衝突する問題があるのでは?
9.kWとkWh              10.電磁波
11.低周波              12.電波障害
13.日陰の問題            14.赤く塗った羽根は何のため?
15.カミナリ             16.風車の運転はどこから監視しているの?
17.スケールメリットって何?


1.風力発電の発電力はどれくらい?

 風力発電は空気の流れにあるエネルギーを機械的な回転力に変換して、発電機を回します。したがって、風の力を捕まえる羽根の回転する広さ(面積)に比例して、発電量が多くなります。最近では技術が進歩して、風の方向に対して、羽根の角度を自由に変えられる大型の風力発電機が登場し、無公害な発電機として、世界中で使われております。


2.直径が60m以上の風車って大きすぎて危険では?

 大型風車の研究は1978年頃から始まりました。当初は、機械的な技術や、品質管理面から機械が壊れてしまうという事故がありました。しかし、研究が進み、それらの失敗が教訓となって、今日の新しい風車が生まれています。大型の風力発電機はスケールメリットによって、その他の公害を発生しながら発電するシステムと比較しても、ひけをとらないコストで、なおかつ無公害で発電できることが、実証されました。

 大型の風力発電は、このように、古くからあった技術と最新の品質管理などによって、十分な安全性を確認されて、世界中に受け入れられています。現在では、国際的な機関によって、ボルト一本にいたるまで、こまやかな規則が定められ、製品化が許可されています。

 したがって、世界中ですでに、1万台にもおよぶ風車の実績は十分な安全性があるといえるのではないでしょうか。

 しかし、本物が動いているところを見ないと、不安だというのも、当然だと思いますので、ぜひ直接自分の目で見学していただくことをお薦めします。

 きっと、あなたも無公害で発電する風車の雄姿にほれぼれすることでしょう。


3.風車は倒れないのか?                     

 風車は倒れたことは無いのかといわれると、「あります」と答えたほうが良いかもしてません。場所はインドでこれまで経験をしたことがない風速80m/sを越える台風によって、何台かが倒れたようです。

 風車の製作のための品質管理は国際規格で厳しく行われていますが、倒れた風車のタワー部分はインドで作られたものが多かったという報告もあります。

 最新式の風車にはいくつかの安全機能が装備されております。

(1)ハイドロブレーキ

  風が強くなってきたときに羽根の部分を90度回転させることで、うちわのようになり、急激に回転を落とします。

 これをハイドロブレーキと呼び、機械式のブレーキと併用することで急停止が可能になり、風の方向に対して羽根を直角にするため風の抵抗が少なくなります。

(2)振動センサー

  風が強くなってきたり、羽根が損傷してバランスがわるくなると風車に振動が発生します。これを検知するシステムで、回転数を落としたり、風車の向きを変えたり、してわるい影響が周辺に及ばないようにします。

このように、最新鋭の風車には様々な安全装置が取り付けられて、安全を監視しています。


4.そんなデカイ風車が旋回するの?             

 風車は風が吹いてくる方に向かないとエネルギーを十分とることができません。したがって、ナセルという風車の中心にある発電機の入った箱の上に風向計と、風速計があり、どちらの方向からどれくらいの風が吹いているかを常に計測しています。そのデータを元に、ゆっくりと風車の方向をきめて旋回します。あまりにゆっくりなのでよく見ないと旋回しているかどうか分からないくらいです。


5.風車の羽根は何でできているの?

 風車の羽根は強化プラスチックで作られています。根元の部分には鉄心をいれて補強してあります。また最新のものには避雷針がが内蔵されており、カミナリ対策も採られています。


6.風車の騒音はどれくらい?                 

 風車の騒音は通常風車が定格回転数で回転する風速(8m/s〜12m/s)の中で、100mから300mの距離をおいて8方向程度で計測されます。これらの計測値をもとに1m換算した仮想音源のレベルがカタログなどに記載されております。

 この値は、直径が60m以上の羽根が回転する円板全体から出ている音を中心に集めて、1m離れた位置でどれくらいの音になるかを表わした値ですので一般的な計測値と直接比較することはできません。

 一般的に200m離れれば約46dB低くなる計算になります。

例えば104dBと記載されている風車は、風速8m/s以上吹いている状態で58dB(104-46)程度の騒音が発生するといえます。これは、周囲に何も無い広い場所で風車から、風下に200m離れて正面を向くと風が耳をかすめる音と風車が風をきる音のレベルがほぼ同じに聞こえる程度の騒音です。周囲に木の枝などがある場合は、当然木の枝の音の方が大きく聞こえてきます。

 ただ、風車が嫌いな人が、どのようにどれくらいまで聞き分けられるかという疑問は、超能力をも有する人間のことですので、答えが見つかりません。


7.発電した電力はどこに行くのですか?

 風力発電は風の強さによって、その発電量が大きく変化します。例えば、風速6m/sと9m/sでは3倍以上の発電量があります。風の強さは常に変化していますから、発電される量も常に変化することになります。そこで、風車によって発電された電気は全て、いったん、電力会社の電線網に送られます。そこから一般回線を通じて各家庭に送られます。

 できれば、風力発電でできた電力だけで生活したいといわれる方も居られるようですが、難しい問題もあるようですね。


8.鳥が衝突する問題があるのでは?                

 風車の大型化が始まる前までは、鳥問題としてレポートが提出されていましたが、最近ではほとんどレポートそのものがほとんど見られまくなりました。鳥問題の多くは衝突という問題ではなく、保護すべき鳥獣との棲み分けに関するものです。

 この問題は客観的に考えても理解できると思います。高さが100mもあるものが風に向かってゆっくり回転していれば遠く離れた位置からも十分確認できます。広い空を飛んでいる鳥がわざわざ風切り音のする羽根にぶつかるなんて、考えるほうがおかしく思えてきます。

 鳥獣との棲み分けに関する問題は新幹線、高速道路、町の拡大等と同じく十分調査したうえで、どうのような棲み分けが適しているかを議論すべきだと思われます。

 車や電気の消費で多くの公害に手をかしている私たちも、無公害なエネルギーを生み出してくれる風車に感謝すべきなのかもしれません。


9.kWとkWh

 発電または消費電力と聞くとkWとkWhの単位があいまいになってしまいがちです。

 kWはW(ワット)の1000倍でKWとなっており、電力の大きさです。

 これに時間(1日=24時間(h))をかけたものがkWhで、電力量を表わしてます。

 したがって、100Wの電球を24時間つけておくと、2400Wh=2.4kWhということになります。


10.電磁波                           

 何となく怖いイメージがしますね。電磁波とは電流の流れた時や変化したときに発生する磁界の波とでもいいましょうか。

 身近なものでは、強い電波をだすものや、強い電流が流れるものから発生します。例えば、携帯電話(200mG)、電子レンジ(200mG)、掃除機(200mG)などです。

風力発電についてみてみます。発電機は鉄のケースに入っていますので電磁波は外に出られません。タワーの中も中に電線が走っていますがタワー自体が鉄製なので同じように電磁波は外にでられません。あるとすれば外に送られている送電線ですが、風車用の送電線は町の中を縦横無尽に走り回っている一般配電線と同じですので、問題の対象とはならないでしょう。

 ちなみに、大型風車を10台連ねて1系統の送電線に流し、風速12m/s程度吹いたと仮定した状態で送電線から200m離れた位置で0.2mG程度の値になるようですが、この値も問題になるような値とは言えないでしょう。


11.低周波                           

 低周波には2種類あります。まずは、電磁波の低周波です。これは携帯電話の電波のような高周波ではなく、一般家庭に送られている周波数50Hzの電流変化で発生する電磁波で、携帯電話のGHzに対して低いため低周波の電磁波と呼ばれます。

 もう一つは、空気振動の低周波騒音です。よく聞かれる例は、川のえん堤で増水時に発生し近所の民家の戸を振動させるというものや、高速道路の大型トラック通過による振動です。

 低周波の電磁について、風車の場合送電線が対象になりますが、前述のように問題とは言えません。

 低周波の騒音については、回転する羽根の周辺には非常に細かな渦が発生すると考えられていますが、低周波が発生するといった話は全くありません。


12.電波障害

 風車の場合、羽根が高い位置で回転するため、テレビの電波が反射して画面に影響が出るケースが稀に報告されています。電波塔から遠隔地になる場所などでは注意が必要です。画像以外の電波では障害が発生したという例は報告されていません。


13.日陰の問題

 風車は回転します。晴れた朝や夕方には回転する羽根の影が映る地域があります。周辺の方々に了解を得る必要があります。


14.赤く塗った羽根は何のため?                  

 航空法で高さが60mを越えるものについては、良く目立つ色で色分けしなさいという法律があるためです。赤色公害は航空局の出している公害政策です。今年の4月からはこの色分けの変わりに、白色中光度障害灯をつけなさいという規制緩和?がなされました。しかし、200m以上離れたもの全てにつけなさいというもので、今度は田舎にフラッシュをつけて回るようなもので新たな航空局公害発生課のお仕事です。今後設置される風力発電はほとんどが大型の風力発電機で大型のウィンドファームが開発されます。

 風の強い、田舎の広い場所に数十個のフラッシュが昼夜問わず光り続けるなんて、考えただけでゾッとします。お役所は何を考えているのでしょうか。知らないとすれば、職務怠慢で知ってても変えなければ傲慢といえるでしょう。だれか航空局に伝えて下さい。「からエネ庁の後押しも加わって、毎年300本もの大型風車が建設されます。早くしないと、とんでもないことになりますよと。」


15.カミナリ

 風車にカミナリが落ちたりしないのですか、という問い合わせがあります。風車の羽根には避雷針を内蔵したものが多く採用されるようになりました。したがって、よほど強力なカミナリでないかぎり、大丈夫なようです。


16.風車の運転はどこから監視しているの?             

 最近の風車はインターネットと同じようなディバイスを風車の中に持っていて、風車に電話をかけて自由に見たり、制御したりすることができるようになりました。日本で動いている風車がヨーロッパで監視されているのは今や当たり前の状況なのです。当然、近くの町にも連絡所がありますから、何か問題が発生すると、風車からは自動的にEメールが数ヶ所に発信され、担当者が2時間以内に現場に入ることになっています。


17.スケールメリットって何?                    

 風車が大型化されることによって、得られるメリットのことです。地上に吹く風は地上から離れて高い位置に行くほど速く吹いていることが知られています。風車が設置される位置、つまりタワーの高さはおおよそ風車の直径に比例します。

 風車の大型化が進むことによって、得られるメリットは以下のとおり

(1)風を受ける面積が広くなる。

(2)据えつけ位置が高くなり、より高い風速が得られる。

(3)地上の専有面積がほとんど変わらない。(タワーの根元の直径は大きくても4m程度)

(4)管理コスト(kWあたり)が結果として低くなる。

(5)同様に、建設コスト(kWあたり)も安くなる。

(6)以上の理由などにより、発電コスト(kWあたり)が安くなる。